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PROJECT STORY 02 車検ネット予約管理システム totoco とっとこ 開発プロジェクト PROJECT STORY 02 車検ネット予約管理システム totoco とっとこ 開発プロジェクト

拠点はわずか3店舗。
地方から業界全体に投げかける、
愛と情熱の新システム。

誰もが不可能と言っていた。だからこそ挑戦した。誰もが無謀だと言っていた。だからこそ打破したかった。20年に及ぶ人見という女性の孤軍奮闘は、見ようによっては「好き勝手」かもしれないし、また別の見ようによっては「恩返し」でもある。 人見は言う。「ヤマウチが好きだから続けてこられた」のだと。

totoco とっとこ ヤマウチ・オートモーティブマーケティング・カンパニー エリアマネージャー 人見いづみ IZUMI  HITOMI totoco とっとこ ヤマウチ・オートモーティブマーケティング・カンパニー エリアマネージャー 人見いづみ IZUMI  HITOMI

システムによる一元管理は不可能。
そう言われ続けてきたのが、整備業界だった。

「夢は大きく、1億円プレーヤーになること。社長にもそのように宣言しています」。だがニッチな業界の、個別業務に特化したこの商材が、しかも薄利で販売している中で、売り上げ1億円の大台に乗るのは並大抵のことではないはずだ。しかし、このシステムを開発した人見いづみの眼は、あくまでも強い光を放っている。「私は20年チャレンジをし続けてきました。この商品を売ることは、私のチャレンジを支え、応援してきてくれた人々への恩返し。だから、必ず達成します」。

2017年1月に本格販売が開始された「totoco<とっとこ>」は、主に自動車整備工場における車検の予約を、ユーザーがネットで行えるシステムである。こう説明すると、クルマのオーナー側にとっての利便性が想起されるが、実際にはもっともその利便性の恩恵にあずかるのは整備工場の側である。

1台に対して、メカニックがひとりで対応するフェーズ、チームで対応するフェーズなど複数の工程があり、さらには期間が3ヶ月の大型車や1ヶ月の小型車が混在する「車検」という業務は、言葉で説明するだけでもかなり煩雑である。また業務受注に至る従来のルートも、電話、ファックス、店舗フロントなど実に多岐に渡っていた。

そのあたりの事情を人見が解説する。「そもそも作業もマンパワー、予約もマンパワーで乗り切ってきたのが整備業界。実態が複雑で時間の計算も読みづらいため、システムによる一元管理は不可能と言われていました。体質も古くて、紙での事務処理がまだまだ当たり前(笑)。それでIT導入は後回しになっていた。だからこそ私はそこに風穴を開けたいと思ったんです」

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整備業界の内部にいなければできない改革。
やるなら、すべてをシステム化しなければパンクする。

ビジネスである以上、そのシステム導入によって会社に経済的な効果を生み出さなければならないのも確か。そこで目をつけたのが「集客」だった。「整備や車検の業務効率改善だけでは、単にインナーの交通整理ということになる。ネット予約という立て付けであれば、新規顧客の刈り取りや、既存顧客とのリレーション深化にも活用できると考えました」。

居酒屋ならテーブルひとつ、美容院やエステならスタッフひとり、ホテルなら部屋ひとつを押さえればいい。大抵の業界でネット予約はそのようにシンプルだ。だが、整備の世界はまったくと言っていいほど、それらとは異なる。車検業務はいわゆる労働集約型のビジネス。工場の面積や設備、メカニックの人数などは固定化されている。整備であれ車検であれ、ある一定の台数を請け負ったらそれ以上はさばけない。それぞれの人員がどの時間帯にどの作業をしているのか、すべてをタイムリーにシステムに反映させていなければ、「パンクの怖れ」につながる。どこかにアナログな管理を残し並走させてしまえば、ネット予約はただの邪魔者にしかならないのである。

「どれだけ優秀なシステムエンジニアでも、外部の人にこの現場の実情を把握するのは困難。『私にはできる!』と思えたのは、私自身が長らく整備業界にいたからです」。コングロマリット企業ヤマウチにおいて、カーケアサービス全般を提供している「ラチェットモンキー」。その場所こそが、人見の育った場所であり、恩返しがしたい場所のひとつでもあった。「私は長年、ラチェットモンキーの受付業務を担当してきましたし、整備や車検の工程もほぼ把握できている。職人気質のメカニックスタッフとも親しくしてきました。システムを導入する意義を説明して、スタッフ全員が同意してくれるだけの関係値を築いてこられたからできたことです」。

実際のシステム開発では、メンバーと白熱する議論を繰り返した。だが、工場内部の負荷を軽減し、効率化することが裏側のテーマだとわかっているから、誰もが前向きだったのだと人見は述懐する。

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社内システムを商品化して、BtoBビジネスを立ち上げる。
前代未聞のイベント出展、そして講演。

人見は、アライアンス先に、あえて技術力で勝負するシステム会社ではなく、デザイン力やダイレクトマーケティングのノウハウを持ったWEB会社を採用した。集客という意味だけでなく、インナー向けにもそうすべきだったのだと人見は語る。「エンドユーザーを意識するということは、最終的にはコンバージョンを取りにいくということ。来店につなげなければ意味がありません。また一方で、日々そのシステムを使って業務を行う社内のことも考えていた。年配メカニックのような、ITリテラシーの低いスタッフでも簡単に操作できることを優先したかったんです」。

こうして、数ヶ月の開発期間を経て、2014年10月に「ラチェットモンキー」専用のネット予約システム=業務管理システムがローンチされた。「昨日まで紙ベースで行っていた仕事を、一気にクラウドベースに変えるのは、やはり勇気のいること。システムの実装がはじまった瞬間、私はデスクに残っていた紙を破いて捨てました。もう戻れないぞ、という私なりの表現でした」。

当システムは香川県に3店舗ある「ラチェットモンキー」に導入し不具合を修正した後、グループ会社の整備工場にも展開された。身内の声から大きな手応えを得た人見は、ここで大胆な行動に出る。何と、このシステムを社内ツールにとどまらせず、汎用型に改良した上で外販していくと言い放ったのである。

「周りからは攻め型人間だってよく言われるんだけど、本当は保守的なんですよ(笑)」。そのように自己分析をしてみせる人見だが、やはり周囲からすればイケイケのようにしか見えなかったはずである。あくまでも「ラチェットモンキー」の集客と業務管理を目的として開発されたシステムを、商品化してBtoBビジネスを立ち上げるというのだ。さらに、その前哨戦として東京ビッグサイトで開催されたオートアフターマーケットに商品を出展。その後、「車検を取っとこう」を文字った「totoco」にネーミングを決定。各地で行われている商社の勉強会に登壇し、この「totoco」の紹介を交えつつ、講師として整備現場の課題とソリューションについて講演までしてしまうのである。

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原点に戻り、整備業界の業務管理で勝負する。
目標の1億円達成まで、突っ走る。

男性の多い整備業界を縦横無尽に飛び交う女性。それだけでも話題性があったのかもしれないが、何より、誰もが諦めていたシステムを開発した人物だということで自然と業界内での耳目は集まった。概ね好評だった「totoco」だったが、いざ営業活動をはじめてみてわかったことがあった。それは「ネット予約よりも、業務管理の方に関心を持ってもらえる」ことだった。「むしろネット予約機能は使わず、業務管理機能だけ使いたいというお客様もいらっしゃいました。これは嬉しい驚きでしたね。」。それまでネット予約という、集客の利点を強調したプロモーションを行ってきた人見は、ここで原点に立ち戻ることを決心する。ターゲットを整備工場に絞り、パンフレットに描かれたキャラクターをメカニックのイラストに変更。業務管理システムとして売り出すことに決めたのだ。

その流れの中で、メーカー系大手ディーラー3社と販売協業の契約を結べたことで、人見の確信はより深まる。「これはいける、そう思いました」。さらに副産物もあった。ディーラーや同業者が、「totoco」導入店である「ラチェットモンキー」に見学に訪れることが増えたのだ。同僚の作業負荷を軽減しようと思って開発したシステムが、巡り巡って、業界の輪をつなぐ役割も果たしている。

「『ラチェットモンキー』の仲間たちに恩返しがしたいという気持ちと同時に、実は業界を盛り上げたいという想いもありました。『ラチェットモンキー』は香川という田舎に3店舗しかない弱小の整備屋。でも、大手でなくたって全国と勝負できるんだぞ!と、業界全体に伝えたかったんです」。孤軍奮闘の裏にあるその情念を、愛と呼ぶこともできるだろうし、意地と呼ぶこともできる。強さと優しさを人見流にブレンドし、凝縮したものが「totoco」だったわけだ。

果たして、年間売上高1億円は実現されるのだろうか、はたまた淡い夢に終わるのか。「無謀だと思いますか?」と人見は反問してくる。その問いは、自分自身に対して発した言葉にも聞こえ、また業界全体に対して発した言葉にも聞こえる。人見の最後のセリフは「5年で結果を出しますよ」である。

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